【百人一酒】お酒をもっと楽しみたくなる味わい深いエッセイ|読書感想

スポンサーリンク

作者の俵万智さんは、言わずとしれた有名な歌人。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

という、微笑ましくて可愛らしい歌が特に有名です。学校の教科書で習った人もいるかもしれませんね。

「百人一酒」は、俵万智さんのお酒にまつわるエッセイです。

お酒が飲みたくなるのはもちろん、お酒の知識もふんだんに散りばめられ、くすっと笑えてもっとお酒のことが知りたくなる、何とも味わい深い内容。

みふみ
みふみ

万智さんのお酒好きがとっても伝わる!

お酒って楽しいんだ、と素直に感動した「百人一酒」の読書感想です。

目次タイトルに惹かれて

「百人一酒」を手に取ったのは、百人一首をもじった本の題名と、目次タイトルに興味をそそられたからです。

みふみ
みふみ

ユーモアでおもしろそうって思った!

例えば、

  • 三歳の初体験
  • 海を渡る八海山
  • 風邪退治は多酒多様
  • シンデレラワイン
  • 百円居酒屋
  • オトナの修学旅行

など、109もある目次タイトル。

パラパラ~っと見て、海を渡る八海山って…!興味わきますよね。百円や修学旅行など「お酒を通していろいろ楽しんでらっしゃるのね」と、本編に行く前に、目次タイトルから想像するだけで面白かったのです。

 

みふみ
みふみ

タイトルって大事なんだな

ひよ吉
ひよ吉

普段から少ない言葉で伝える万智さんならではかもね

お酒はよく飲むけど、何となくお酒に罪悪感がある私。身体への影響や、お酒の失敗を聞いたりするからでしょうか。

「百人一酒」はそんな罪悪感が微塵も感じられず、突き抜けて「お酒大好き」と言える人達の世界、お酒好きの世界をのぞき見る気分でした。

「好き」から広がる魅力的な世界

「百人一酒」には、万智さんの日常にあるお酒にまつわるお話から、お酒の種類・歴史・知恵、はたまた交友関係など、万智さんのお酒好きから広がる世界が存分に書かれています。

そして私が特に気に入ったのは、白ワインをソーダで割ったもの。スペインの人たちは、ちゃめっ気たっぷりに「貧乏人のシャンパン」と呼んでいた。見た目はそっくりで、アルコール度は、かなり低くなる。(P19)

スペインに訪れた万智さんが出会った、貧乏人のシャンパン(この章のタイトルでは偽シャンパン)。

スペインの人たちは、昼食の時間にたっぷりと時間をかけ、お酒も飲むそうです。

おしゃべり好きとも聞くスペイン人。そんなスペインの食事情から、「昼間から飲んでも罪悪感の少ない(?)アルコール飲料が充実しているような気がした」と万智さんは言います。

 

ひよ吉
ひよ吉

スペインのサングリアも罪悪感のない代表格と言っているね

みふみ
みふみ

確かに。甘くて飲みやすいから罪悪感少ないかも

また、万智さんは歌人でもあり、「百人一酒」にはお酒にまつわる歌も掲載されています。

秋が深まり、しみじみ日本酒を飲むような夜には、必ず思い出される歌がある。

” 白玉の歯にしみとほる秋の世の酒はしづかに飲むべかりけれ 若山牧水”

人気の高い牧水作品のなかでも、愛誦性に富む名歌だ。特に、お酒が好きな人なら、「くー、わかるわかる、この気分」といっぺんに覚えてしまうことだろう。(P144)

若山牧水も、戦前の有名な歌人です。彼もまたお酒が好きで、彼の歌を日本酒を飲みながら思い出す万智さん。

「さすが歌人」と言いたくなりますが、それだけでなくお酒好きだからこそ共感し、思いを馳せることができる。過去の偉人の言葉に、時を超えても共感できるとは、何とも魅力的です。

 

みふみ
みふみ

時折出てくる万智さんの歌も素敵♪

「百人一酒」を読んでいると、好きなことを素直に楽しんでいる様子が伝わってきます。

もちろんエッセイのネタとして、いろいろ知識を吸収されていると思います。

ですが、好きだからお酒のもつ背景に興味を持てたり、食事と合う飲み合わせを考えたりと、楽しみ方の幅が広がるとはこういうことなんだろうなと、万智さんのエッセイを読みながら私もわくわくしていました。

「好きこそものの上手なれ」。

お酒好きから、エッセイを書き仕事にしてしまうくらいには、知識も経験も豊富にあるのが感じられます。

 

ひよ吉
ひよ吉

バーのカウンターにもバイトとして立っていたらしいよ

みふみ
みふみ

歌人でバーカウンターの店員って面白い…!

他にも、万智さんの周りには、お酒好きの、しかもなかなかの知識のあるお酒好きが多いよう。仲間と楽しく飲んでいる様子が書かれています。

お気に入りの居酒屋に一緒に行ったり、オトナの修学旅行をしてみたり、お酒を通して、交友関係が深まっていくのはきっと楽しい。

お酒好きの人だけでなく、何となくお酒を遠ざけている人もちょっとうらやましいと思ってしまうレベルで、万智さんは楽しそうに仲間とお酒を楽しんでいます。

万智さんの表現力も相まって、「好き」から広がる世界に魅力しか感じません。

「飲めるときに、飲んでおいて、ほんとうによかった!」__久しぶりに本書を読み返しての、これが率直な感想である。(P240)

妊娠・出産を機に、飲み歩くことはめっきり減ってしまったようで私も同じ状況なのですが、私も万智さんのように、自宅でのお酒の楽しみ方を模索したいと思い始めています。

 

みふみ
みふみ

大人だから楽しめるお酒の魅力…!

まるでお酒の教科書?!知りたい欲が刺激される

「百人一酒」は、お酒好きの人が気ままに書いた楽しいエッセイ♪

…と思ったら、その情報量に驚きます。

お酒の知識や知恵、歴史などが、そこかしこに書かれていて、万智さんが訪れたお店やお気に入りの居酒屋も紹介されています。

「初心者のためのやさしいお酒の教科書」のようなタイトルでもおかしくない本です。

 

みふみ
みふみ

とは言っても中身はエッセイだからすんなり読める!

ひよ吉
ひよ吉

世界のお酒やマナーの話もおもしろい!

エッセイなので、万智さんの日常を散りばめながらやさしく解説している、お酒のあれこれを知ることのできる本です。

その中でもぐっときたのが、目次タイトル「一九四五年」。

(中略) 麹谷青年が、田舎のワイン醸造所を訪ねたときのこと。「これまでで、一番いい年って何年ですか?」と彼が尋ねると、答えはこうだった。

「それは君、なんといっても一九四五年だよ。この年は、神様のプレゼントと言っていいぐらい、素晴らしい気候だったんだ。なのに、愚かな人間たちは、戦争にうつつをぬかしていた。葡萄になんて見向きもせずにね。ある意味では、神様からの最高の皮肉ともいえる年さ、一九四五年は」(P120-121)

 

ひよ吉
ひよ吉

1945年は第二次世界大戦が終戦した年だね

これを読んだとき、思わず「うわっ」と声を出してしまいました。「何この惹かれる話は?!」と本にメモしているくらいです…。

神様のプレゼントに、最高の皮肉。興味をそそられませんか?

ついでに「1945年 ワイン」で調べてみると、1945年のロマネコンティが6,000万円で落札された記事が出てきました。

 

みふみ
みふみ

ひ、ひゃー!ろ、6,000万円で落札…

 

素人の私でも、ヴィンテージ・ワインという言葉は聞いたことがありますし、収穫年によって当たり年やそうでない年もあるのだとか。ワインの持つ物語の壮大さに、私の知りたい欲(知識欲)が刺激されます。

 

みふみ
みふみ

お酒の背景を知ったら、もっと楽しいんだろうな~

 

ひよ吉
ひよ吉

本の中で紹介されているお店に行みたくなるね

どの内容も、万智さんが飲んだり見たり聞いたり、経験したことをベースに書かれています。万智さんの、お酒の知識や人脈の幅広さと言ったら…!

羨ましいです!

まとめ|私もお酒を楽しむ

俵万智さんのエッセイ「百人一酒」を読み進めるうちに、万智さんの幅広い知識にただすごいと感心するだけでなく、「そうそう、わかるー!」と言えるようになりたい!と不思議な感情がわきました。

 

みふみ
みふみ

お酒の楽しさをもっと味わいたい!

 

子どもが小さいので飲み歩くわけにいかないし、一般庶民なので、高いお酒はそう飲めません。

ですが、自分の手に届く範囲でも十分に楽しめるはず。幸いわが家は、夫がお酒大好きです。酒造巡りに付き合ったこともあります。

私も楽しめるようになれば、夫とも趣味が合っていいことづくし。

お酒飲もうよ!って誘われているような、「お酒っておもしろいんだよ~」ってただ伝えてくれているような…。そんな楽しいエッセイ「百人一酒」は、また読み返して味わい尽くしたいと思える1冊です。

タイトルとURLをコピーしました