【君たちはどう生きるか】今だからこそ自分に問う「どんな人間でありたいか」|読書感想

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しばらく積読本でした。

新装版・漫画版が2018年にベストセラーになって、「読むなら原作本でしょ!」と購入したのが、岩波文庫版の「君たちはどう生きるか」。

ですが、タイトルに何となく威圧感を感じ、長らく読めずにいました。

 

みふみ
みふみ

「どう生きるか」なんて難しいよね

コロナショックにより、日常の景色ががらっと変わってしまった今、改めてこれから先の生き方を考えたときに、この本をふっと思い出して読んでみることに。

  • どんな人間でありたいか
  • 人間としてのモラル

以上の2つをポイントに、私なりに読書感想をまとめます。

「考えさせられた」だけで終わらせてはいけないような、時代を超えて読み継がれる「君たちはどう生きるか」。

親として子ども達に伝えられることは何か、これから先をどう生きるか、今だからこそ自分に問いながら読みたい1冊です。

どんな人間でありたいか?を常に問い続ける

「君たちはどう生きるか」は、コペル君と叔父さんのやり取りを中心に、話が進んでいきます。

コペル君が学校や日常生活を通して気付いた・考えたことを元に、叔父さんが会話やノートに書いて補うことで、社会や経済、人間としてどうあるべきかを伝えていく内容です。

世間を見る目を正しく持つ

おもしろい!と思ったのは、次のフレーズ。

しかし、自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に、自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることが出来ないでしまう。大きな真理は、そういう人の眼には、決してうつらないのだ。

 

(P26~27)

 
コペルニクスの地動説、それ以前の天動説を例に、物事や世の中の見方・捉え方を叔父さんがコペル君に教える場面。

正しく判断するために、自分に都合のいいことだけを見る人間にはなるな、と叔父さんは教えてくれます。

客観的に物事を見るのは、大人になっても難しいものです。

コロナの影響で、娘の幼稚園が休園になり、夫が在宅勤務になり、今までの日常ががらっと変わりました。どうしても自分の家族を念頭に、物事を考えてしまいます。

 

みふみ
みふみ

子どもとの毎日が大変なんだ、こっちは!

言いたくなる。
言いたくなります。

だけど、違いますね。

自分の見える世界だけを中心に考えていたら、見えるものも見えません。

「今できることは何か?」
「こういう時だからこそできることはないか?」

冷静になってみると、” 今できること ”に意識が移ります。

そして、世の中が変わっていることに気付きます。
在宅勤務、オンライン授業、オンライン飲み会、各業界の深刻な状況、失業者の増加…。

 

ひよ吉
ひよ吉

世間を見る目はしっかり持っておきたいね

みふみ
みふみ

他人事と思ったその瞬間から自分の世界が狭まるよね

どんな時代であれ、世間の上で人間は生きています。

時代の変化のスピードが早くなっていると言われる現代で、自分を中心に考えていたら、あっという間に世間から取り残されるでしょう。

コペル君が気付いた「自分が世の中の一分子である」という事実は、誰も逃れられない。

世の中を見て、自分はどうあるべきかを常に問い続けなければいけないと思います。世の中が変化し続けるのならば、私たちも変化しなければいけない。

自分で自分を決定する力

また、この分子につながる次のフレーズにも、勇気づけられます。

僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから過ちを犯すこともある。
しかしー
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。
そして、コペル君、君のいう「人間分子」の運動が、ほかの物質の分子の運動と異なるところも、また、この点にあるのだよ。

(P256~257)

 
コペル君が、親友たちを裏切ってしまった出来事から立ち直るまで、さまざまな葛藤がありました。
私自身も、裏切り…というより、高校時代からの親友を傷つけてしまった過去があります。自分の見栄や未熟さがもたらした結果ですが、何度忘れたいと思ったかしれません。
そして私は、その出来事を忘れてはいけないのだと、はっきりとわかりました。
コペル君が「謝って許してほしい」と思った気持ちが痛いほどわかり、だけど叔父さんは「それではいけない」と言います。
許すかどうか、謝ったあとのその先を考えるのは君ではない、と。
 
みふみ
みふみ

過ちを繰り返さないよう立ち直るしかありません

そして、子ども達にもしっかりと伝えていきたいです。

「自分で自分を決定する力がある」のは、「自由である」ということ

子ども達の人生は、子ども達のものです。

私は、彼女らが巣立つまでのお手伝いをしている。時には間違いを正し、言い聞かせる場面もあるかもしれません。だけど、親として精一杯、巣立つときが来るまでお手伝いができればと思っています。

 

みふみ
みふみ

この本は、子育ての指針にもなりそうです

今こそ人としてのモラルが問われる

「君はどう生きるか」は、人間のモラルを問う場面が多く出てきます。

モラルとは、倫理観や道徳意識など。はっきりとした正解がある問題ではなく、価値観や宗教などに左右されることもあります。

 

ひよ吉
ひよ吉

貧困・いじめ・格差など、現代にも通ずる問題は多くあるよね

コロナショックで先が見えない今、ギスギスした心で互いを見てしまいそうになる今、まずは「自分はどうありたい?」「どういう人間になりたい?」と問いたいです。

 

みふみ
みふみ

冷静に向き合う目を持っていたい

きれいごとかもしれません。
コロナの脅威が目の前にやってきたら、冷静さなんて保てないと思います。

ですが、ギスギスした心で他人を見るくらいなら優しい気持ちでありたいし、働き方や学校、世の中が何かしらの変化するときならそれを逃したくはない。

不平不満を言うだけの人間になりたくないのです。

 

しかし、自分が消費するものよりも、もっと多くのものを生産して世の中に送り出している人と、何も生産しないで、ただ消費ばかりしている人間と、どっちが立派な人間か、どっちが大切な人間か、--こう尋ねてみたら、それは問題にならないじゃあないか。生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することは出来やしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。

(P139~140)

 
今、家族揃って元気に過ごせている現実に感謝して、私は私ができることをやるしかありません。
社会に還元できることは何か?
私が生み出せるもの(仕事)は何か?
 
 

まとめ

2年ほど積読本だった「君たちはどう生きるか」。

大変な今の世の中だからこそ、私にはこの本が必要だったのだろうし、今だから読めた本だと思います。

また、世間に疑問や不満があまりない人には響かない内容かもしれません。

 

ひよ吉
ひよ吉

そんなの当たり前だよって思うかも

この本は、昭和初期に書かれた本です。戦時中、いよいよ激しい軍国主義に向かう日本社会で、子ども達にまで社会の悪い影響が出ている。その危惧から、子ども達に未来への希望を託して書かれた本だそうです。

読んでみて「当たり前のことが書いてあるなぁ」と思ったなら、きっとこの本の役目は果たせたということでしょう。

ですが、もし思い当たる節があったなら、この本が必要だということ。残念ながら、私はまだまだ必要なようです。

これから読む人は、ぜひ岩波文庫から出ている原著を読むことがおすすめ!言葉遣いや時代背景あってこそ、この本の味わいが出る気がします。

 

みふみ
みふみ

読書が苦手な人はマンガ版・新改訂版がいいかも

人間としてどうありたいか?自分に問い続けたい人生の教科書。おすすめです。

▼漫画版

▼新改訂版

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